サッポロ、東南アジア全域でビール販売
- 2012/11/2 1:21
サッポロホールディングス(HD)は東南アジア全域でビールを販売する。ベトナムの自社工場で生産し、2012年中にフィリピンやインドネシアなど新たに4カ国への輸出を始める。すでに輸出しているタイなどを含め、計9カ国に販売網を広げる。国内市場が縮小するなか、15年の域内経済統合をにらみ、成長が見込める東南アジア市場に足場を築く。
新たに輸出する4カ国の市場規模は大瓶20本換算でフィリピン約1億2600万ケース、インドネシア約2千万ケース、カンボジア約1200万ケース、ミャンマー約1100万ケース。ベトナムで生産する「サッポロプレミアム」を輸出し、現地ビールの1.5~2倍の価格の高級ビールとして販売する。14年には4カ国合計で約3万ケースの販売を目指す。
さらにラオスでも近くビールを販売する計画。工場があるベトナムとすでに輸出しているタイ、マレーシア、シンガポールを合わせ、サッポロの東南アジアの販路はブルネイと東ティモールを除くほぼ全域に広がる。
フィリピンとインドネシアでは現地の輸入販売会社を通じ、それぞれの首都周辺にある約200店の日本食レストランに納入。カンボジアでも飲食店向けに販売する。3カ国とも13年中には一般消費者向けに小売店での販売も始める予定だ。
ミャンマーは卸や免税店の運営会社を通じ、輸入ビールの販売が許可されているヤンゴンなどの免税店4店で売り出す。現地では地場ビール会社が消費者向けに小売店で販売し、ハイネケンなど海外大手も免税店での販売を始めている。サッポロも規制緩和後に小売店の販路を開拓する。
サッポロは11年のベトナム工場稼働後、テレビCMの放映など販売促進を積極化。日本流の鮮度管理や衛生管理による品質を訴え、ホーチミン市内ではすでに1千店以上の飲食店に納入。ほぼすべての量販店チェーンとも取引があるという。
新たに輸出する国では当面、飲食店にポスターを張るなどし、「サッポロ」ブランドの浸透に取り組む方針。将来は営業所を設け、ベトナムと同様の販促策を仕掛けることも検討する。
国内ビール大手ではアサヒグループホールディングスがタイで現地ビール大手のブンロートに製造委託し、「スーパードライ」を販売。キリンホールディングスも「一番搾り」を輸出している。サッポロは大手で唯一、現地に工場を構える利点を生かし、東南アジア全域への販売網の展開で先行する。
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