アフリカ資源獲得に本腰 来年5月、閣僚会合
政府、中国に対抗 日米欧企業、探査合意めざす
日本政府はアフリカの資源権益の獲得に本格的に乗り出す。アフリカの資源担当閣僚を集めた「日アフリカ資源大臣会合」を来年5月に東京で初めて開く。世界銀行やアフリカ開発銀行などの国際機関、日米欧の資源会社や商社などの民間企業も参加し、石油やレアアースなどの資源探査で合意を目指す。アフリカへの投資を急拡大する中国に対抗する狙いもある。
大臣会合は日本の経済産業相が主催し、南アフリカの鉱業相が共同議長を務める。南アフリカのほか、モザンビーク、ザンビア、マダガスカルなど10カ国程度が参加する見込み。来年5月18日に東京で開く。同月16、17日には民間企業を中心に「ビジネスフォーラム」も同時開催する。
議論する資源探査案件は南アフリカのレアアースやザンビアの銅鉱山、ギニアのボーキサイトなど。いずれも開発が有望な鉱床で、投資や生産の可能性を探る。
アフリカの政府系資源開発公社、欧米の資源メジャー、三菱商事などの日本の大手商社のほか、部品にレアアースを使うトヨタ自動車やホンダなども参加する。
会合では政府開発援助(ODA)を使ったインフラ整備も議題にする。鉱山を開発しても日本に運ぶ道路や港湾がないと権益を確保できない。国際協力銀行(JBIC)や国際協力機構(JICA)が融資対象地域などをアフリカ諸国と議論する。環境配慮型の技術支援や研修生の受け入れを柱とした人材育成でも合意する見通しだ。
会合に向け、松宮勲経産副大臣が28日からモザンビークを訪問し、製鉄用の石炭や液化天然ガス(LNG)の権益獲得を目指した閣僚級の官民対話に出席する。30日には南アフリカで政府幹部と会談する予定で、大臣会合の共同議長就任を正式に要請する。
日本では東京電力福島第1原子力発電所の事故後、火力発電の燃料需要が急増。石炭や石油が豊富なアフリカへの期待が高まっている。中国に輸入量の5割を依存するレアアースの調達先を広げる狙いもある。
アフリカの資源開発は中国が先行する。日本政府によると、2008~11年の累計投資額は中国の約150億ドルに対し、日本は20億ドル。ただ現地では、中国企業による環境破壊や労働者の安全軽視が問題視されているとの指摘もある。日本企業の進出に期待する声が出ていることも大臣会合の開催につながった。
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