・ miil(ミール)
料理SNS、主婦集う
「私の一品」撮影、気軽に投稿 「おいしそう」反応が励み
日々の料理をテーマにした交流サイト(SNS)に主婦が集っている。家庭で作る料理の写真をスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)で撮影して投稿し、サイト上でコメントし合う。手軽に利用でき、サイト上での反応が日々の食事作りの励みになるのが魅力という。主婦たちにアプローチしたい食品メーカーなどの販促の場としても活用され始めた。
東京都内在住の主婦、白坂麻子さんは作った料理を皿に盛りつけるとすぐにスマホを取り出した。カメラで撮影し「冷蔵庫の中にあったもやしで作った和風あんかけそばです」とのコメントを添えて送信。すると「おいしそう!私も作ってみます」「冷蔵庫の残り物には見えません」といったコメントが次々に送られてきた。
結婚して約半年。毎日食事を作っているが、「当たり前の作業でも大勢の人からの反応があると張り合いが出る」と話す。昨年末から料理SNSの「miil(ミイル)」を使い始め、今では朝昼晩の3食分を欠かさず投稿。約2万人のフォロワーが白坂さんの「作品」を楽しみにしている。
昨年11月にサービスを始めた「miil」はスマホに無料のアプリをダウンロードして使う。ダウンロード数は8万件を突破し、頻繁に画像やコメントを投稿する「アクティブユーザー」の比率が5割を超す。運営会社フロッグアップス(東京・港)の中村仁社長は「当初は外食の写真を想定していたが、ふたを開けてみると家庭の料理が大半だった」と話す。
最大手の「スナップディッシュ」は昨年5月の開始以来、アプリのダウンロード数が40万件近くに達した。会員登録している約13万人の7割が女性で、1日に4000枚の料理の写真が投稿されている。運営会社ヴァズ(東京都武蔵野市)の舟田善社長は妻が料理の写真を友達同士で見せ合っているのを見てサイトの開設を思いついた。
いずれのサービスも使い方はいたって簡単だ。スマホのカメラで料理を撮影し送るだけ。コメントの送信も単純な操作でできる。料理をテーマにしたサイトではレシピサイトのクックパッドが代表例だが、詳細なレシピを作り投稿するのに手間がかかっていた。
舟田社長は「新しいメニューに取り組んだり、盛りつけや敷物を工夫したりと、ひと手間かけるのが楽しくなってくる」とサイトの効果について話す。日々の食事作りが単調な「作業」から「娯楽」に変わり、結果として料理自体もレベルアップし再び投稿したくなるという。
独身時代、結婚後、子供の誕生後など、環境が変われば食事の内容も変わっていく。「食事の記録は人生そのもの」と舟田社長。料理SNSはネット上に人生を記録する「ライフログ」の手段としても普及が進みそうだ。
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SNS、スマートフォン、クックパッド、@ネット
特化型SNS、企業と消費者の接点に
食材をネット販売するオイシックスは8月から料理SNSのmiilと連携し、自社で取り扱っている野菜などを使った料理の写真コンテストを開催している。反響の大きかった写真の投稿者に食材の購入に使えるポイントを提供し、消費者との関係づくりに生かす。ヤマサ醤油は1月にスナップディッシュとお雑煮のコンテストを開き、優秀者に有田焼のしょうゆ小皿などを贈った。
料理SNSには毎日、スーパーなどで買い物をしている主婦たちが集う。「和食」「イタリアン」など投稿される写真の内容で対象を絞れば「和食好き」の主婦だけにアプローチすることも可能だ。そうした消費者に興味を持ってくれそうな情報を提供すれば、マーケティングの効果も高まる。
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オイシックス、ヤマサ醤油、@ネット
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