ファミマ、タイ大手と提携
現地運営会社の株5割強売却 店舗倍増、16年めど1500店に
ファミリーマートはタイの流通最大手、セントラル・グループと提携し、同国でのコンビニエンスストア事業をテコ入れする。現地の運営会社の5割強の株式をセントラルに売却し、同グループの物流網や商品調達力を生かして出店を加速。現在約750店の店舗数を、2016年末までに1500店へ倍増させる。タイではセブンイレブンが現地の大手財閥と組んで独走しており、ファミマはパートナーを得て追い上げる。
ファミマはタイのコンビニエンスストア運営会社に対し、自社も含めたグループ全体で実質9割を出資している。このうち5割強の株式を26日にもセントラルに売却する。売却額は70億円超となる見込み。
セントラルは東南アジア最大級の商業施設「セントラル・ワールド」のほか、百貨店やスーパー、高級ホテルなどを手掛ける。昨年の売上高は約1400億バーツ(約3500億円)で、タイの流通最大手。
セントラルが持つ不動産情報や物流網を活用し、チェンマイなど未開拓のタイ北部に進出する。同グループの商業施設内にも出店し、16年末に1500店、21年末には3000~3500店体制を目指す。グループの小売店との共同仕入れなどで利益率も高める。
ファミマは1993年にタイに1号店を開いた。当初は百貨店など地元企業が運営会社に6割出資していたが、97年のアジア通貨危機などで地元企業の経営状況が悪化。ファミマと伊藤忠商事が増資や株式買い取りを重ねた結果、大半を日本側が出資する体制となった。
ネットワークを持つ現地パートナー企業を失って出店が伸びず、営業、最終損益は08年まで赤字が続いた。タイ事業の11年の全店売上高は約106億バーツ(約270億円)で、営業利益は約1億3千万バーツ(約3億3千万円)。
セブンイレブンはタイの大手財閥、チャロン・ポカパン(CP)グループがパートナー。店舗数を約6700店まで急拡大し、圧倒的なシェアを握る。ファミマはセントラル・グループと組んで追い上げの態勢を整える。
ファミマは8月末時点で海外に約1万2千店を開いており、日本国内の約9千店を上回る。現在の進出地域はタイのほか、台湾、韓国、中国、米国、ベトナム。20年度には世界で4万店体制を目指している。
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