「御堂関白記」訓読文でデータベース化
平安時代中期に摂関政治の最盛期を築いた権力者・藤原道長の日記「御堂関白記」が、訓読文でデータベース化され、このほど公開された。国際日本文化研究センター(略称日文研、京都市)が進めていたもので、IDとパスワードを取得すれば無料で閲覧できる。一段と見やすくなったことで、同時代の歴史がより身近に感じられそうだ。
データベースは998年から1021年まで、中断や欠落があるものの、現存する「御堂関白記」の全3843日を網羅。キーワードで検索でき、たとえば「地震」で検索すると、9件が一括で年月日順に示され、さらに個別に詳細が読める。
道長は995年、一条天皇の内覧に就任したのを足がかりに、栄達を重ね、盤石の基盤を築く。御堂関白記は年中行事の出席者や、賜り物などをつづる。「一見退屈だが、こうした序列や差配を通じて、道長が権力の維持に腐心した様子が行間からうかがえる」(倉本一宏・日文研教授)
東大史料編纂所のデータベースにも御堂関白記はあるが、日文研版は検索と引用のしやすさ、校正の精度を格段に高めたという。日文研では同時代の史料「権記」「春記」「小右記」も順次データベース化していく計画だ。
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