埼玉に医療・介護向け工業団地 本庄市などが構想
- 2012/9/14 6:05
- 日本経済新聞 電子版
- 736文字
埼玉県本庄市、上里町、神川町にまたがる児玉工業団地周辺に、医療や介護分野に特化した工業団地を建設する構想が本庄市や同団地の間で浮上している。児玉工業団地は自動車や電機などの企業が集積する県内有数の団地だが、円高などを背景に海外移転や流出を危惧する声が上がる。今後の成長が見込める医療分野の企業を集め、地域の競争力を高める。
児玉工業団地工業会や本庄市が構想の検討を進めている。児玉工業団地と近くにある本庄いまい台産業団地の間の100ヘクタールの土地を区画整理し、新たな工業団地をつくる計画。両団地の間を通る国道462号を改修・拡幅し、関越自動車道や開発が進む上越新幹線の本庄早稲田駅などとの連絡も強化する。
児玉工業団地は面積約100ヘクタール、55社からなり県内でも有数規模。カルソニックカンセイやHOYA、NECの工場などが立地している。ただ開発から長年たち、道路などインフラの老朽化が目立つうえ、海外などへの生産移転で離れる工場もある。工業団地としての付加価値・競争力向上が課題になっている。
児玉工業団地には大鵬薬品や金冠堂(東京・世田谷)など医療産業が集積していることから、同工業会や本庄市は「成長が見込める医療・介護関連産業に特化した団地整備を進めれば企業誘致の面でアピールできる」とみている。
本庄市は同市西部に食品専門の工業団地を開発し、赤城乳業(深谷市)の新工場を誘致した実績もある。
団地整備には巨額の費用がかかるうえ、耕作中の農地の工場用地への転用は難航が予想される。ただ首都圏中央連絡自動車道(圏央道)や北関東自動車道の整備に伴い県内への企業進出が増え「県内では工場用地が不足気味」(県産業立地課)との声もあり、構想への追い風になる可能性もある。
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